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誤報。

昨日は見事に踊らされました。駆け巡る訃報。踊らされる我々。

訃報“Obituary”という重厚な言葉を見て私は見事に浮足立ってしまいました。しかも発しているのは独逸系の楽譜出版社。おなじみの例のクマが報じているではないか!!すわっ!!我が家のラッキーアイテムはシロクマやで!!(関係なさすぎ)

いやはや・・・ネットでの情報というのは恐ろしいものですね。あわてているうちにいろいろな方面から訃報のお知らせが飛んできまして、電話もかかってくるし、まじですか!!我々は見事に足元をすくわれました。残念だがどうにもしようがない、と関係各方面へ公演中止の連絡を取り始めたのでした。

しかし、そうこうしているうちに、ふと、何かおかしくないかと我々は気がついたのです。ツイッター上でどんどん話は広がっていっているが、新聞などからの情報が一切出てこない。不思議だ。オーストリアを代表するピアニストの一人なのに、オーストリア系の新聞のサイトなどが沈黙している。いくら欧州が夜中だとはいえ、このクラスのピアニストであれば、必ず、1,2行であれ速報の文章が出るはず。

やはり最後に信頼すべきは新聞ではありますまいか。あるいは通信社。今回、「ソースは」と言われると・・・・熊。うん・・・、(情報源として)弱いネ。

アルファベットで検索しても、カタカナで検索しても、グーグルで、ニュースで絞って検索しても、訃報はクマ以外一切出てこない。

不思議だ。これはもしかするとガセかもしれない、という気持ちが生じ始めた折、否定する情報がウィーン方面の聞き取りから出てきたため、日本の新聞社などに問い合わせをしたりしつつ、一旦静観することといたしました。そこで以下のツイートを発信したわけです。招聘元は何も動いていないのではなく、動いていて情報収集中である、ということをお伝えし、皆様の動揺を最小限に押さえるという目的がありました。

そうこうしているうちにワンおばちゃんがご家族へのコンタクトに成功。複数の日本の新聞社からも、訃報などのニュースはないとの情報が伝わってきたため、誤りであると結論づけることができました。

引き続き大車輪の活躍、その後もワンおばちゃんが熊のマークに国際電話をかけたりツイッターで話しかけたりした結果、誤報は取り消されることとなったのでした。私達からも関係各位に誤報を出してしまっていたので、その各位にもお詫びと訂正を出しました。

いやはや、ソースはどこであるか、複数が報じているのか、これはよくよく確認してから動かなければならないな、ということを学んだ昨日でした。一匹の伝統あるクマが重々しく訃報と報じたからといって、あわててはいけないのでありました。いやマジで誤報のおかげで1日ほぼ潰れちゃったぜ。

浮足立った私のせいでドミノ倒しのごとくあわててしまった皆様、ここに今一度深くお詫び申し上げます。これまで素晴らしい人生を歩んでこられたバドゥラ=スコダ氏の長寿とこれからのご健康を願っております。