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パデレフスキ国際コンクールでの出来事

ポーランドでパデレフスキ国際コンクールが終わりましたが、その結果が物議を醸している。

優勝者候補として最終審査で競り合った人物が、その後結局2位にも3位にもならず、名誉賞のみを受賞した、ということで、本人が失望と怒りを表明して受賞と記念演奏を拒否したというものです。

本人がネット上で怒りのコメントを発信し、それに対して養護するコメントがプロのピアニストたちからも出され、コンクールの公式サイトからも「ジャッジは公平に行われた」という表明が出され、さらにそれに対しても批判のコメントが付いたりしてプチ炎上状態(プチ、というかプチプチ)であります。

レブレヒトのブログ↓

https://slippedisc.com/2019/11/pianists-are-backing-the-one-who-refused-the-prize/

コンクール側の反論↓

日本語でも話題になっているかなと思いましたがそれほどなっていない模様(すでにここでホットに議論されているとかいうのがあったらすいません)。パデレフスキ国際コンクールはあまり知られていないからでしょうかね。パデレフスキの名前がそもそもショパンほどには知られていませんからでしょうかね。

なぜ1位になりかけた人が2位にも3位にもならず名誉賞のみとなってしまったのかという点については、どうしてどうして?と思われるでしょうが、投票のやり方を聞くと、なるほどそういう事もあるかもね、と思われるかもしれません。ご説明しましょう。 

どうやって投票したのか

審査員は、まず1位を誰にするか、という投票をします。それで過半数を得られなかったとかいう場合で優勝者が選べなかった場合、上位2名とかで再投票をする。それで1位が決まった。その次に、ではそこで優勝にならなかった人を自動的に2位にするのではなく、次に「2位は誰にする?」という投票をするのです。それで1位と同じように2位が選ばれ、その次に「3位は誰にする?」という風になっていく。

これは他の国際コンクールでも用いられている方法であり、このコンクールだけの特殊なやりかたではありませんが、1位の後に2位を投票する時に、2位はやっぱ別の人にしよっかな、と審査員の気持ち次第で投票先が替えられるんですよね。今回のケースの場合、2位はやっぱ別の人に入れとこ、と判断した審査員がちょっと多かった、ということなのでしょう。

審査員側としても、2位に件の男性がならなかったということに驚いたかもしれませんが後の祭り。2位に決められなかった人を3位とか4位とかにはおせないよね、みたいな雰囲気が醸し出され、気がつけば名誉賞のみとなってしまった、というのが、おおよその現場の雰囲気だったのではないかと思います。

本人は「後から複数の審査員がやってきて、本当は君が1位で競っていた」ということを言われた、というのですが、これは審査員側も罪悪感を持っていたのではないでしょうか。でもこういう時って、それを言ってしまってはいけないのではないかという気もしますがいかがでしょうか。そんなことを言われたって、本人としては余計に気分が悪くなるだけなんじゃないの。

密室で審査することの難しさを感じますね。世の中は情報を開示する方向に進んでいるので、審査も今後は密室ではなく、オープンになっていくかもしれませんね。パデレフスキ国際コンクールの側も、後出しではありますが、投票結果を審査員のサインの付いた写真全部を掲載していますし、次回からはやり方を変えようか、みたいな議論も出これから出てくるのではないかと思います。

いや本当にコンクールって難しい。結果次第でその人の人生を左右する可能性がありますからね。

ちなみに、このコンクールで過去に入賞している著名人は誰でしょう。調べてみようと公式サイトを見てみましたら、過去の入賞者ページはあるんですが壊れていてなんかわけわからんことになっていたのでうまく見られませんでしたわ。ヤシンスキの名前が載っているのだけは確認した。