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内田光子の移籍問題、行間をちょっとだけ読んでみる。

寒いですね。昨日は福島県白河市に行ってラーメンを食べてきました。白河駅から新白河駅まで、電車には乗らず30分ほど歩いてみました。雪は積もっておらず、しかしながらチラチラと降っていましたが、東京で見るべちゃついたものではなくごくサラサラしていたので、これこそが本当の雪というものであろう、と首肯いたしました。雪に本物も偽物もあるのか。

内田光子の移籍問題についてはみなさまご興味をお持ちいただいたようで、けっこうな数のアクセス数がありました。調子に乗ってというわけでもありませんけれど、ついでですから(ついでなのか)、Victoria Rowsellから出ておりますリリースといいますか、ステートメントと書かれておりますから声明文となりますがそれを読んでみたいと思います。

Statement from Mitsuko Uchida, Victoria Rowsell, Kathryn Enticott and Alex Monsey

Mitsuko Uchida and Victoria Rowsell have agreed to end their longstanding management agreement. From 7th February 2020 Mitsuko’s general managers will be Kathryn Enticott at Enticott Music Management in partnership with Alex Monsey at IMG Artists.

“I should like to thank Mitsuko for the prestige her musicianship and artistic integrity has brought to my company over many decades and wish Kathryn and Alex every success as they take over the management of Mitsuko’s career. The change provides me with the opportunity to concentrate on the long-term development of Victoria Rowsell Artist Management and the consolidation and expansion of my client base.”
Victoria Rowsell, Victoria Rowsell Artist Management

“I want to thank Victoria for her support and friendship over all these years, and the opportunities her work has brought me. In appreciation and friendship, Mitsuko”
Mitsuko Uchida

“It is a great privilege for us to have the opportunity of working for Mitsuko, and we are looking forward to helping her plan and realise her artistic activities in the years ahead. We thank Victoria, a good colleague over many years, for her help and advice, and wish her every success with the continued development of her company.”
Kathryn Enticott, Enticott Music Management, and Alex Monsey, IMG Artists

(6 February 2020 )

http://www.victoriarowsell.co.uk/

内田光子とヴィクトリア・ロウセルは、長年にわたるマネージメント契約を終わらせることに同意した。2020年2月7日からの主たるマネージメントは、IMGアーティストのアレックス・モンジーとの協力を得てキャスリン・エンティコット・ミュージック・マネージメントが行うこととなった。

「彼女に感謝を申し上げたい。彼女の音楽家としての一流の才能、芸術的な高邁さが私達に対して何十年にもわたりもたらされてきた。今後のマネージメントを引き受けるキャスリンとアレックスにも同様の成功があることを望みます。今後私はヴィクトリア・ロウセル・マネージメントの長期にわたる成長、顧客数の増加、および顧客との関係強化に集中いたします」
ヴィクトリア・ロウセル

「私はヴィクトリアに感謝を申し上げます。長年にわたるサポートそして友情、わたしに数々の機会をくれたことに関して。感謝と友情をこめて」 
内田光子

「内田光子と働くことは私達にとって大変特別なことです。今後の彼女の芸術的活動を支援し、実現することを楽しみにしています。また長年にわたる私達の友人ヴィクトリアに感謝いたします。彼女は私達を助け、助言を与えてくれました。彼女の事務所がこれからも成長し続け、引き続き成功することを願っています」
キャスリン・エンティコット(エンティコット・マネージメント)&アレックス・モンジー(IMGアーティスト)

2020年2月6日

●以上、いろいろと示唆に富む内容ではありませんか・・・!えっそうなの?何が何が?と思う方のために私が気がつくことをほんのちょっとだけ書いていきますね。行間を読むというやつですな。国語の先生にいっっつも言われたろ、行間を読め!!行間を、読め!!!

「赤シャツの心に去来してしていた思いはなんだったのか答えなさい(5点)。」・・・私についていえば赤点必至なんで補講に出ますわ。

一番の不思議は、移籍先がエンティコット・マネージメントなのにも関わらず、IMGアーティストの全く別の人の名前がある。これはどういうこと?これは主にエンティコットがマネージメントを務めるが、IMGのアレックスにもコンタクトをとってよい、という意味だと思われます。主に間口を広げるという意味そのほかが考えられます。

公式にはエンティコットが事務所なのだが、IMGのアレックスに連絡をとってもよい。

そうすることによって何がいいのか。それだけ幅広い機会が生まれる可能性もあるし(それぞれ得意とする顧客がいるから、そのいいとこ取りが出来る可能性がある、わけだ)、2社が管理をすることで、さまざまな面倒事やリスクも分散させる事が出来るはずです。そりゃあ多くの人間を相手にするお仕事ですから、いろいろな事が起こりますからね!

アーティストが事務所を去るのは、ほぼ確実に現状になんらかの不満があるからです。満足して去る、というケースもなくはありませんが、その場合も、次のステップに進むためにはこのままじゃだめだ、といったアーティスト側の野心、思惑があるものです。満足はしているがさらに前へ行きたい、というものです。非常に前向きだねいいね。

男女の離婚問題もドロドロすることが往々にしてありますが、アーティストと事務所との関係もなかなかいろいろあります。みんなの思惑が大きな渦となってうごめく。綺麗事では済まされない問題なのだ。

これはどちらがいいとか悪いとかではなく、長く一緒にいるといろいろあるよね、っていうことだとも思うんですよ。お互いにお互いの立場や考えがあるのは当然。歯車がずれていって、もう無理だなってことになったら、そんだらば、という事になるのも結構ありがちなことだと思います。ちなみに離婚の本当の原因は当事者にしかわからないのと同様、アーティスト移籍の本当の理由は当事者しかわかり得ません。なお我が家について言えば今でもラブラブですのであしからず。(・・・・えっ、そう思ってんのは自分だけなのっ??)

ところで内田光子氏ご本人のコメントを読みますと、なかなかそっけないと思いませんか。いろいろ思うことはあるけれど最後はにっこり笑って握手で別れる。そういう大人の対応かと思われます。(なお大人の対応という意味では、関係者各位そうだと思います。さすが大人の国グレート・ブリテン!!)

まあそんな感じ。では今週もまた皆様、どうぞごきげんよう!!