Blog

ドイツは8月末までコンサートを禁止

このブログは、クラシック音楽が持つ敷居の高さっちゅうんですか、いわゆる難しい顔をしたベートーヴェンの肖像画みたいなんではなくて、なるべく明る目の話題をしばしば奇妙なテンションでやっております。でも最近はどこを見回しても、コロナコロナコロナだぜ・・・。今日もコロナの、わりと重い話題。

各国で経済再開への動きが徐々に出てきました。ヨーロッパでも、いまはまだだめだが、時期をみて徐々に学校や小規模な店を開ける、そういう流れができつつあるように見えます。試しにやってみてまたぶわーっと人数が増加するようなことになればまた閉じる、ぶわっとこなければさらに様子見で徐々に徐々に開けていく、ということになるのでしょう。そうなることを期待しております。でないと、子どもたちとダム巡りにも行けないぜ。ダムカードってのがあるの、知ってるかい?

そんな折ではございますが、我々の業界にとってとても気になる、絶望感を増すかもしれぬ情報がドイツから入ってきております。一つは、「メルケル首相がドイツ国内の8月いっぱいのコンサートを禁止した」ことです。日本のコンサート業界はまだ6月もやりたい、と思っている人たちがたくさんいると思います。表立って声として出てこないけれど、コンサートをこのままずっと中止したら、まじで経営とかが成り立たないというところも結構あるかなと思います。

しかしドイツでは早々に8月いっぱいまで、コンサートやサッカー(ブンデスリーガ)、その禁止命令が出たわけです。あと宗教的な集まりもですか。ミサとかそういうのでも感染者がぶわっと広がるそうなのでそれも禁止。

この決定は今後の日本のコンサート事情にも影響が出るかもしれない。我々も、絶句したくなりますけれど、策を考えなければならない。

もう一つのニュースはもっと刺激的で、コンサートなどは18ヶ月開催できないかもしれない、という話です。18ヶ月という数字は、指揮者アダム・フィッシャーのおっかけ日記を書いて居られる方のブログから知ったので、この投稿をご覧ください。ドイツのレオポルディーナ国立科学アカデミーってところが言っている話だそうです。

上のメルケル首相の決定はこのアドバイスに基づいて暫定的に出されたものだと理解しておりますけれど、もし今後、8月末まではおろか、18ヶ月間コンサートが世界レベルで一切できないということになると、それこそ世の中のコンサート組織や音楽家たちは徹底的に、壊滅的なダメージを食らうことになります。このニュースを読んで、この業界にいる人達はいままた、じわっと嫌な汗をかいているのです。この予想が外れることを願います。もちろん短くなる方向で外れることを、です。

まだ判断を下すのは早い、のかもしれませんが、これはできるだろう、ああできなかった。これはできるだろう、ああ、できなかった、これこそは・・・これもアウトかよ!!と次々と倒れていくと、金銭的出血、精神の消耗がただただ増えていくのであります。あまりにも厳しい現実が、我々の前には待っているのかもしれない。

ちなみに、ドイツの現状は以下のとおり英語でリストアップされていました。ざっと訳したので、間違ってたらすいませんなんですけど、とりあえず。

The most important decisions:

Major events are generally forbidden until August 31. Affected are football matches with spectators, larger concerts, shooting matches and funfair events. Whether football matches without an audience are possible has not been decided yet.

最も重要な決定事項について:

大きなイベントは基本8月末まで禁止。観客のいるサッカーゲーム、大規模なコンサートなどすべてのイベント、移動遊園地なども禁止。サッカーの無観客試合の可能性についてはまだ決まっていない。

Shops with a sales area of up to 800 square metres can reopen from next Monday (20th April) under certain conditions. Irrespective of the size of their store, book, car and bicycle dealers will then also be able to welcome customers again.

売り場面積800m2以下の店は4月20日からオープン可。ただし本屋、カーディーラー、自転車屋については店の規模に関わらず再開してよい。

Hairdressers are to reopen their stores from 4 May onwards, subject to certain conditions, such as hygiene and the avoidance of queues.

美容院は5月4日から再開してよい。ただし衛生には十分気をつけ、列をつくってはいけない。

Schools are to resume teaching again on 4 May, starting with the final classes, the classes that will take final exams next year and the top primary school classes. However, upcoming exams for the final classes of this school year can also take place earlier. Individual federal states that are more strongly affected by the pandemic, such as Bavaria, may and will make different arrangements for school re-openings: see below!

5月4日から学校は再開。ただし最高学年、最終テストを翌年実施する学年、小学校の最終学年のみとする。これら最終学年の試験に関しては、これより早く実施することも可能とする。バイエルン州のようにパンデミックが収まっていない場所については個別に決定される。下を見てね!

There is no obligation to wear a mask in public but the “urgent recommendation” is to wear so-called everyday masks in local traffic and when shopping.

公共の場でのマスク着用は義務ではないが、公道や店内での着用を「強くすすめる」。

The contact limitations will remain in force for the time being until 3 May. Citizens should also continue to avoid private travel.

5月3日までは接触制限を続ける。個人的な旅行は避けること。

Restaurants and other gastronomic businesses will remain closed for the time being. Exceptions are made for the delivery and collection of food for consumption at home. Bars, clubs, discotheques, pubs as well as theatres, operas and concert halls also stay closed.

レストランなど飲食店は引き続き閉店。デリバリーはOK。バー、クラブ、ディスコ、パブ、劇場、オペラ、コンサートホールは引き続き閉館。

The ban on assembly in places of worship remains in force. In churches, mosques and synagogues, no religious celebrations and events are to take place for the time being.

宗教的な集いも引き続き禁止。教会、モスク、シナゴーグで宗教上の儀式やイベントは当面禁止。

It is also crucial that citizens in public places keep a minimum distance of 1.5 metres and only go there with members of their own household or at most one other person.

公道などで1.5メートル以上互いに離れることは極めて重要であり、出かけるときは家族のみ、あるいはそれに加えて最大1名のみとすること。

https://thegermanyeye.com/first-alleviations-of-corona-measures-announced-in-germany-3803

以上です。しかしサッカーを敢えて名指しでとり挙げているっていうのは、やっぱりドイツ人にとってそれほど重要なスポーツだからでしょう。あとF1も人気あるらしいっすよね。

バイエルン州はまだまだ大変なようなので、「下を見てね!」とあるように、この下につらつら書かれていますが、個別により厳しい制限がつくようです。たとえば今年はオクトーバーフェストはないだろう、というようなことも書かれています。オクトーバーフェストもないんっすね・・・。