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コンサートチケットも徐々に電子化して欲しい理由

コンサートチケットも徐々にでいいので電子化して行って欲しいと思っています。結論を先に書くとその理由は「なくすから」です。

チケットは手元に残るものなので、必ず欲しい、という方もおられます。コレクター心理ですね。いやあ、のび太くんと王冠コレクションのやつ、懐かしいっすね。印刷がずれたものの希少度が高かったりするんですけど、ドラえもんのネコシャクシビールスを使った結果やっぱりカオスになるっていうやつ。めちゃめちゃすごい話なんすよね。藤子不二雄はやっぱ超天才だっ!!

・・・取り乱しました。チケットは記憶の補助装置としても有効。紙のチケットは公演が終わったあとも時々見返して、ニヤニヤしながら眺める、大変いいものなのでしょう。

しかし形あるものはいつか壊れるし、チケットもなくすのです。特に大量に購入していると整理も難しく、紛失の危険はどんどん高まる。みなさんいろいろ苦労してチケットを整理しておられるのだと思います。

私も会場でもぎり作業をしていたから知っているのですが、封筒に入れたまま会場にお越しになる方はけっこう多いです。封筒に大きく手書きで公演日の日付を書いている方もいます。チケットの日付のところにマーカーをしている方、チケットを封筒や納品書にホッチキス止めしている方。様々な努力があるわけです。なくすという事に加え、日時を忘れる危険性への対策でもありますね。

チケットを紛失した方への対応は難しい

それでもチケットは紛失する。なので主催者に電話がかかってくるわけです。「チケットを無くしたが買っていることは間違いないので入れて欲しい。おたくで買ったんだから履歴があるだろう」。

これはまあそう言われればそうなのですが、実際にその方が買っていることはわかりましても、その方がどういう行動を取ったかはこちらにはわかりません。本当になくしたかどうかがわからないのです。

疑ってかかるのは失礼なのですが、もしかすると友達にあげたのを忘れているかもしれないし、オークションなどで売ったかもしれない。あるいは紛失したふりをして再発行してもらい、両方のチケットで入場してしまうかもしれない(一方の人は空席に潜り込む)。

なので基本的には「チケットがなければご入場いただけない」とするのが正しいのかもしれませんが、物事はそう簡単ではありません。「絶対買ったんだから入れるよな!!まだ公演日まで何日かあるんだから再発行しろ、送ってこい。あ、いや、そ、そうだ、そもそも届いていなかったぞ!書留で送ってないんだろ?届いたっていう証拠がどこにあるんだよ!いやー届いてなかったな届いてない。送ってないんだ絶対、ウギャー!!」

このようなご経験はおありですか。あ、ないですか。ご健康のため、ないならないでそれが一番いいです。

あとこれは紛失とは違う話なんですが、公演日にこういう電話受けたことがないですか。「急遽用事が出来て自分はいけなくなった。自分の名前は○○で✕列○番の席だ、おたくで買ったんだから判るだろう。チケットを渡している時間はないが友達が代わりに行くって言ってくれてるから入れて欲しい。空席をつくるよりいいだろう。」

これらの連絡に対して、どう対応したらいいかご存知ですか。こうするのが正しい、という回答は残念ながらありません。いろいろな対応法をご自身でも考えてみてください。(参考までに、後者のケースに関して対応を誤った結果、電話口で10分ぐらい絶叫+罵倒+私という存在の否定をされた経験がありますとだけ書いておきます。)

幸か不幸かクラシック音楽にはポップスのような人気はなかなかありませんで、転売ヤーとかで苦労することはあまりありませんね。

これらはいずれもチケットがあるために起こっている事象です。

じゃあチケットレスにするねって言うと、スマホ持ってない人を切り捨てるのか。老人にはわからないなど、大声で罵声が飛んでくるのですけれど、今こそチケットレスを導入の機会ではないですか。感染対策としてチケットはもぎらず目視のみとか、自分で切ってとかいうケースも増えてます。感染対策としてチケットは発行しない、っていうのもありでしょう。電子チケットにも問題や課題があって、いろいろと対策は必要なんですけれど。

新幹線や特急列車だってチケットレスが進んでいる。いきなり全撤廃だと抵抗が大きいので、電車と同じように徐々に進めていく。チケットレスの方が安いとかにすると効果的ですかね。特急券だってネットで、チケットレスを買った方が安い。

先日インタビューさせていただいたプロアルテが最近プロアルテケトっていうサービスを始めていて、チケットレスを推進している(どうしても紙のチケットが欲しいという方は自分で印刷してというやりかた)。オンラインのレッスンとか、過去のコンサート映像も(ギトリスの紀尾井ホールライブも)ありますな。

https://teket.jp/c/proarteket

いろいろ試行錯誤しつつ、みなで前を向いて進んでいきたい。