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コンサートの裏側シリーズ:ホールとの打ち合わせとか

その昔、ある音楽事務所に務めていた時に、O君に教えてもらったことに感謝しています。それは何かと言うと、アーティストを連れてコンサートホールに着いたら、まずは舞台の関係者、特に舞台の責任者に挨拶をすること、しかも大声で。と教えてもらったのです。

これは大変そのとおりでした。なぜそれが推薦されるかと言うと、舞台の方々がコンサートの現場を取り仕切ってくださっているからです。事件は会議室ではなく現場で起こる。そのとおり。コンサートも会議室ではなく、現場で起こります。

現場の皆様のあなたへの心象が悪ければ、コンサート業務は渋滞したり、うまく進まなかったりします。なので大声で挨拶。自分はもともと声が小さくもごもごしている傾向があるので、意識して声を張ります。ちょっとうざいんちゃうか、と思うぐらいでOK(たぶん)。あと、ほどほどの笑顔と、ほどほどのテンション。そうしたら現場の方々も、おう、今日はええ兄ちゃんが来てくれたな、愉快にやろうや、とまあ、そんな感じで受け入れていただける。

高すぎるテンションは引いちゃうけど、それなりのテンションで、はきはきとしていれば、誰もが気持ちよく仕事が出来る、と思います。それから、現場ではいろいろなことが起こります。何か予定外のことが起こったときに、えー、どうしようオロオロ、上司の指示を仰いで、あああ電話がつながらないオヨヨヨハラハラドキドキ、とか頼りなく右往左往しますと、現場の方々も「この人大丈夫かな」とかそういう雰囲気になりますし、そういう姿をアーティスト側も見ていますから、やはり「この人大丈夫かな」ということになります。

いささか適当な感じでもよろしいので、もう自分で腹をくくって、それはこうこうこういう風にお願いします、こうしてああしてくださいまし、と、やっていけば現場にいい意味でのリズムが生まれる。リズム大切。リズムがいいとテンションも上がるし、雰囲気もよくなりますよね。キョエーーーー!!ギャヒーーーー!!などの過度なハイテンションは推奨しませんが、ほどほどのテンション。これが良いコンサートとなる秘訣の一つでございましょうか。

それからコンサートの開催にあたっては進行表、公演手配書っていうのを作って、事前にホールに提出します。たとえば照明のこととか、影アナ(公演の直前に場内放送が入るところけっこうありますよね。あれのことです。テープで流すところもあれば、誰かが読み上げることもある)のこととか、アンコールのこととか、CD販売があるのかとか、だいたい考えられることを文書にして提出。これ重要。段取り段取り。もちろん現場では予定外の事も起こりますが、ある程度形ができていれば情報も皆に共有されるから現場の人も対応しやすいし、起こる突発的事柄についての対応も楽ちんなのであります。段取りに縛られてはいけませんが、段取りは重要だというわけです。

っつうわけで明日は、来月MCSが4公演を実施いたしますすみだトリフォニーホールへ、4公演分の打ち合わせに行ってまいります。まいどおおきに。