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オリヴィエ・ラトリーからのメッセージ

 

聴衆の皆様へ

このプログラムを皆様へお届けできることを大変嬉しく思います。

そして私のみならず、ご来場の皆様にも楽しんでいただければ幸いです。

今回はオルガン音楽の異なる二つの時代の作品に焦点を当ててみました。まず、バロック時代の“大クープラン”と称されているフランソワ・クープランが 若干21歳で作曲したオルガンのためのミサ曲からの抜粋と、ヨハン・セバスティアン・バッハがほぼ同じ年齢で作曲した作品を取り上げたいと考えてみました。彼のイタリア洋式で書き上げられた「パストラーレ」は、4楽章からなる協奏曲のように聞こえます。

次に、19世紀の4人の作曲家の作品をお届けします。ドイツのリヒャルト・ワーグナーと、彼の影響を受けたフランスの作曲家たちカミーユ・サン=サーンス、セザール・フランク、シャルル=マリー・ウィドールです。

今回のリサイタルの締めくくりには、聴衆の方々から一つか複数のテーマをいただき、それを元に即興演奏をいたします。

即興は、フランスのオルガニストの間では好評で、オルガンに関して言うならば、パリのノートルダムでもずっと長い間に渡り親しまれてきました。

ここで”沸き起こってくる作品”は、生まれた先から消えていき、皆様の記憶の中にのみ残っていくことでしょう。

オリヴィエ・ラトリー