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ベンジャミン・フリスのベートーヴェンは本物である

ベンジャミン・フリス(右は、最新の写真やで、と本人からMCSに数日前に送られてきたものでございます。撮りたてのホヤホヤ。湯気が上がっているようでございます)と言う名のピアニストを知っているという人は、相当なピアノ・ファンに分類されるかもしれません。しかしこの人はいぶし銀のような輝きを放つ名ピアニストなのでございます。

彼の経歴を少し眺めてみれば、かつてアルゲリッチ、デームス、ギャリック・オールソン、R.グードなどを排出してきたイタリアの難関コンクール、ブゾーニ国際で最上位入賞しているし、同じく難関のルービンシュタイン国際コンクールでは優勝を果たしています(こちらにはアックス、オピッツ、トリフォノフなどが優勝者リストに名を連ねている、と書けばその重みに唸る方も大勢おられることと思います)。

コンクール後に華々しくソリストとしてキャリアを築いて行きました。特にベートーヴェン、メンデルスゾーン、そしてフィールド(夜想曲というジャンルを作った作曲家。ショパンに影響を与えている)の専門家として知られることとなりました。フリスをご存知ないという方は、NAXOSからリリースされてきた大量の録音をどうぞ聴いて見られることをお勧めしたいです。フィールドの作品集、メンデルスゾーン集など、いずれも絶妙な味わいなのです。

https://ml.naxos.jp/artist/223

有料会員じゃないと聴けないリンクを紹介してごめんなさい。聴けないんだけど!どないしてくれる!と言う方はともかくそのリストだけでも眺めてください。見事な録音リストだと感じられませんでしょうか。

ソロだけでなく室内楽奏者としても熱心に活動をしてきました。特にグールド・ピアノ三重奏団での長年の活動は世界的に名高いものです。その長年の活動、功績、信頼、そのようなものが積み上がった結果、今シーズンから、世界の名門中の名門ホールの一つ、ロンドンのウィグモア・ホールの室内楽シリーズの監修を一任されているほどです。(ちなみに若者を指導する能力にも長けているため、フリスに音楽を習いたいと言う若いアーティストも多いのです)

また、あるウィーンの音楽家は最近、ベンジャミン・フリスが演奏するベートーヴェンの録音をブラインドで(誰が演奏しているか伏せた状態で)聴いて「これはウィーンで通用する本物のベートーヴェン弾きだ」と太鼓判を押したのでございます。

フリスと言えばベートーヴェン、フリスと言えばディアベリ変奏曲、フリスと言えば、ディアベリ!とまで言われるほどの演奏家を日本に招いてオールベートーヴェンを、しかもそのディアベリ変奏曲を含む演奏を聞くことができるのは本当に喜びですし、皆様にお楽しみいただけるだろうことはつゆほども疑っておりません。チケットは3月頭に発売予定です。決定しましたらSNSなどで発表いたしますのでどうぞお楽しみに!

ベンジャミン・フリス ピアノ・リサイタルの詳細はこちらをご覧ください:

ちなみにディアベリ変奏曲についてはもう一つ面白い話があるのですが、それについてはまた改めて。