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【ご相談】マリア・バーヨのプログラムについて

ビジネスの世界では、電話をかける時にほぼ必ず冒頭に「お世話になります」「お世話になっております」と付けますよね。まだお世話になっていない時だってあるのにどうしてだろうなー、と漠然としたもやもや感って、ないですか?でも私は長いものにはむしろ進んで巻かれる方なので、机をバンバン叩き唾を飛ばして「世話になんかなってねえよ、舐めんな!デアーッッ!!」とかそう言う気持ちはまったく持っておりません。一ミリも。

というわけでこのブログのタイトルはビジネスメールっぽく【ご相談】とさせていただきました。ぜんぜん意味がなくて申し訳ありません。

マリア・バーヨのソプラノリサイタル2公演は、6月10日(月)および17日(月)です。1日目がスパニッシュ・ナイトそして2日目が古典ということでご案内をしておりましたが、本人が熟慮を重ね、数々の歌手たちから絶大な信頼を置かれる熟練のピアニスト、フリオ・アレクシス・ムニョスとスペインでそしてフランスで打ち合わせをし、リハーサルをした結果、プログラムがようやく決定いたしました。これに関しては昨日MCSのウェブサイトおよびTwitterFacebookページなどで告知をいたしました通りでございます。

しかし、です。スペイン語の曲目の日本語訳に関して、やや自信がありません。訳したのは、何を隠そう何も隠さない、私です。私はググる能力はそこそこあると思っていますが、スペイン語といえば、極めて限定的な知識しかない子鹿ちゃんです。えへっ。

舐めんな!と言われることを覚悟でもう一度書きますが、はい、いくつかの曲のタイトルに、自信がありません。グーグルに聞いたらガリシア語だね、と言われたものとかあり、うんうんうなって訳したが、もしかしたら間違ってるかも?という曲もあります。怒られそうです。あらかじめ謝罪いたします。

公演当日のプログラムにおいてはプロフェッショナルなスペイン語使いの方に翻訳等をお願いしたいと思っているので、何卒ご容赦ください。

そこで今日というこの日に【ご相談】なのです。スペイン語の得意な皆様に【ご相談】なのです。間違ってるわ!というタイトルがあればお教えいただけませんでしょうか。ベルグなのかベルクなのか、とか、よりこちらのほうが詩的だね、とかそういう程度のものではなく、右を左と書いている、とか、自転車をブルドーザーと書いている、といった、大型クラスの誤訳があれば、ということなのです。その場合、謹んで訂正いたします。何やそれ、おまえプロやろ、ええ加減なことすんなや、とか言わないでご容赦下さいませ。うわっ、うわーっ(逃げ腰)。

まったくツッコミがなければ、それはそれで、私も安堵いたします。以下に日本語と、スペインから送られてきました原文を並べます。

エドゥアルド・トルドラ Eduard Toldrà (1895 – 1962)
「陽気な小娘」”La zagala alegre”
「かあさん、私は素敵な瞳を見た」”Madre unos ojuelos vi”
「サン・フアンの朝」”Mañanita de San Juan”
「お前に出会ってから」”Después que te conocí”
「誰も幸せにはなれまい」”Nadie puede ser dichosa”

オスカー・エスプラÓscar Esplá (1886 – 1976) 
「地中海風」”Mediterránea”
「道」”Rutas”
「小唄」”Coplilla”

ハビエル・モンサルバッヘXavier Montsalvatge (1912 – 2002) 
黒人の歌 Canciones negras 
「ピアノの中のキューバ」”Cuba dentro de un piano”
「ハバネラの調子で」”Punto de Habanera”
「子守歌」”Nana”
「黒人の歌」”Canto negro”

ヘスス・ガルシア・レオス Jesús García Leoz (1904 – 1953) 
三連作 Triptych 
「風をつたって」”Por el aire van”
「カディスからジブラルタルまで」”De Cádiz a Gibraltar”
「花に、小さな花に」”A la flor, a la pitiflor”

アントニ・パレラ・フォンスAntoni Parera Fons (1943)
子守歌集 Cuaderno nanas
「憎まれっ子の子守歌」”Nana del Niño Malo”
「ヤギの子守歌」”Nana de la Cabra”
「コウノトリの子守歌」”Nana de la Cigüeña”
「黒い花の子守歌」”Nana de Negra-Flor”

アントン・ガルシア・アブリルAntón García Abril (1933)
「私の戸口の前で立ち止まらないで」”Non te pares a mio puerta”
「マリア・ソリーニャ」”María soliña”
「友人のカンティーガ」”Cantiga de amigo”
「愛しい人は去っていった」”Levouse a louçana”

アストル・ピアソラAstor Piazzolla (1921 – 1992)
「失われた小鳥たち」”Los pájaros perdidos”
「ロコへのバラード」”Balada para un loco” 

ゴンサロ・ロイグ Gonzalo Roig (1890 – 1970)
「セシリア・バルデース」”Cecilia Valdés”

フランシスコ・アセンホ・バルビエリ Francisco Asenjo Barbieri (1823 – 1894)
サルスエラ 『ラバピエスの理髪師』より「パロマの歌」El barberillo de Lavapiés “Canción de Paloma” 

以上です。ご拝読ありがとうございました。

なお、今後予告なくプログラムが変わることもあり得ますので、その点も何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。

来日は11年ぶり

2008年に来日して以来、実に11年ぶりとなるこの来日公演は、MCSにとって大変重要なコンサートです。マリア・バーヨ!聴きたい!久しぶりの来日、うれしい!というコメントも公式に、非公式に続々と届いています。

バーヨは、大きな野太い声で圧倒する、というタイプというよりむしろ、ずば抜けた表現力で人々を説得する、そして長くその余韻や満足感が残る、そういうタイプの歌手ですので、本当に私達も楽しみにしています。(とはいえ、声量はけっこうあるとの情報もあり)

円熟の歌唱。熟成されたワインのように、まろやかで心にすっと届く超絶歌唱が期待できます。もう今から楽しみで倒れそうだぜえええええええ!!

というわけでチケットの宣伝をしますね。

6月10日(月)スパニッシュ・ナイトの詳細おさらいとチケットのご予約はこちらから:

6月17日(月)古典の夕べの詳細とチケットのご予約はこちらから: